バラとガーデニングショウを見た後なので、つい庭のことを考えてしまいます。そんなわたしの前に、積まれたレンガ。
家族写真を撮りましょうの看板。スタジオのある写真やさん。
お地蔵さんと、金魚。お寺でした!
おそばやさん、居酒屋、中華のお店・・・と並ぶ中、ふと目にとまった、不思議な「匂い」。
それは、鼻で感じるものではなく、いわゆるオーラというべきか。なんとなく、呼ばれたような。なんとなく、なんとなく・・・。
Shuji Works カバン教室。
おおおおおおお!なんとそこには、たまらなくアートな気配が漂っていたのでした。
ガラスごしに見えるきっちりしたカバン、個性的なオブジェ。肩肘はらない気軽な、手作りの看板。
立ち止まって写真を撮って、置いてある教室のご案内ハガキを見ていたら、中から、明るい若い男性の声で
「こんにちはー」
と、声をかけられました。
ぴあの姫は、意外とテレやなところがあり、実はこちらから声をかけてあれこれおしゃべりというのは、苦手なのでございます。が、ヘラヘラしてるのと丸い外見から、いろんな人が気軽に声をかけてくれるという特性もあります。なんだかいい人っぽい感じ。ひょいと中をのぞかせていただきました。
まだ、準備中なんですよ。と、青年は言いました。目がきらきらして、背が高くて、ひとなつっこい笑顔で、いわゆる職人とは違う、でも孤独なアーティストでもない、ぱっと見「変わり者」でもない、好青年が。
ぴあの姫は、リビング多摩のブログを書いてます。地元を紹介したくて、お散歩してました。よかったら、お店のことを教えてください、そして、紹介させてください!と、まるで「田舎に泊まろう」みたいな勢いで、お願いしていました。青年の笑顔は、さらに明るく輝きました。
「嬉しいな!僕は自分で店の内装やってて、全然人と話してなかったんです。床も自分で貼りました。どうぞどうぞ、見てってください」
聞くと、青年は、なんと雑誌でも紹介されたり、デザインフェスタにも出品したりしている、注目のガバン職人さんでした。アトリエは、横田基地近くにある米軍ハウス。でも、もっと多くの人に出会い、いろんな刺激を受け与え、自分も人も成長してゆく場所をつくりたくて、街に出てきた、と、言いました。
「僕は結局、職人にはなれないと思って。何十年もやってる人に勝ち負けじゃないけどかなうものは作れない。でも自分は自分ができる最高のものを作りたい。それに自由なもの、好きなものを作るほうが性に合ってる。相方も、木彫の人で大きな賞をもらって、これは負けてらんないぞと、教室を開くきっかけにもなりました。6月にオープンしたくて準備中だけど、すでにカバンじゃない、ワークショップは何度かやってるんですよ」
四角いカバンは、職人としてのオシゴトで生まれたもの。手前の多肉を植えてるのは、ワークショップで手作りしたもの。工房にあるミシンや機械は、あちこちの職人さんに相談して、使わなくなったものを譲ってもらったり、中古品に一目ぼれして購入したりしたもの。こだわりと夢と、生活のほどよい調和が、彼の魅力だとぴあの姫は感じました。
工房の奥には、彼のデザインしたカバンが並んでいます。今まで見たことないような不思議なフォルム。国籍不明なそのテイスト。デザインフェスタでも、海外からの人に沢山声をかけられたと言います。ぴあの姫には覚えられなかった、アジアとヨーロッパの中間あたりにあると思われる国の人に「すごいでしょ!?」と、言ったら、その人は「すごい・・・というのはワカリマセン。でも、イイ、トテモイイ!」と褒められたお話など、面白かったです。
工房には書棚もあり、教室に来た人が自由に読めるようにしています。何故か昆虫や海の生き物の図鑑も。彼はそういうものを見ながらインスピレーションを得るのだそうです。確かに自然のものには必ずその形になった合理的な理由があり、それが生命の美しさの秘密かもしれません。
「これはまだ、試作品なんだけど」
彼は・・・そうそう、お名前は、shuji kawadaさん。「皮のカバンやだからカワダです。あ、でも本名です(笑)」ウミウシか、ミドリムシか、ナマコか・・・お聞きしたけど忘れましたが、図鑑を見せてくれながら、kawadaさんは、カバンを見せてくれます。
「この金具も、手作りですよ!」
ぴあの姫は驚きます。なぜって、いつもニットのカバンを作るとき、持ち手でとても悩むのです。手芸やさんで売ってる皮の持ち手はぴあの姫の好みのものは少なく、しかも・・・高い。すっごく気に入ってるものなら高くてもいいですが、あまりピンときてないものに高いお金を払うほど悲しいことはありません。それに、それをショップに出品するとしたら、自分では気に入ってもいないものを売ることになり、それはあまり、嬉しいことではありません。
「作れますよ。真鍮と銀は、ちょっと慣れれば思い通りに変化してくれるから」
彼は長身をちょこまか動かして、店の奥に置いてあるバーナーやら道具やらを見せてくれました。
「でね、このカバンも他のもみんな、そんなところにもこだわってて、あとは使いやすさを考えると軽さかな・・・そういうことがクリアできたら、製品にするんです。面白いでしょう?」
ぴあの姫、すっかりくつろぎ、グレープフルーツジュースまでご馳走になってしまいました。
ぴあの姫は夫婦で写真撮るのが好きで、っていったら、カメラを見せてくれました。そのカメラもそうですが、このストラップ!手作り。愛用約10年だそう。某カメラ雑誌の方とアイディア出しながら作ったそうです。めっちゃ欲しいです!!しっとりとした手触り。愛用品じゃなく、商品だったら間違いなくお持ち帰りでしたわ。残念。
「僕たち、若いのは、なんだかんだいって、つながるのが下手だから、つながれる場所の出発点のひとつになりたいです」
オープンには、また是非お邪魔したいと思います。
アトリエ情報も含む、shuji worksのHPは、↓こちら
http://shujiworks.com/index.html
教室(工房)専門HPももうすぐ完成だそうですよ。
お礼を言って工房を出て、また国分寺方向へ。
(とはいえ、このあたり、住所は国分寺なんですが(笑)。この22番街、国立から徒歩5~15分です)
夢見心地でお花屋さんを眺め・・・
立川バス(戸倉循環「日吉町→恋ヶ窪駅→国立駅北口」富士本1丁目)が通ってるなぁ、と、ぼんやり考え・・・
蕾がアポロチョコでお花が金平糖みたいな、今が盛りの花をながめ、22番街のおさんぽは幕となりました。国分寺側からいらっしゃる方は、日吉町交差点から、国立側にお入りください。
国分寺市のコミュニティーバス、ぶんバス日吉町ルート(西国分寺→市役所経由循環)も通っています。